2007年4月1日日曜日

ことばの力

養護学校に勤務している友人からこんな話を聞いた。生徒のなかで何語でも理解できる子がいる。英語でも中国語でもはじめて聴いた言葉でもその意味がわかるという。どうしてわかるのかきいてみると、声に色がついていてその色が意味をもっているのだそうだ。世界的にみてもアルファベットに色がついて感じられたり、数字に色がついていたりする例は報告されている。言葉の意味ってなんだろうかと考えてしまった。ウィトゲンシュタインによれば言語の意味はその使用にあるという。例えば「そのカナヅチをとってくれ」という言葉の意味はその言葉のとおりであって、ほかの意味で翻訳されて理解されるものではない。意味を掘り下げていくとそうとしか言えない言葉になってしまう。そしてひょっとしたら養護学校のその生徒のように言葉は色合いのように問答無用の知覚的なものと密接に関わっているのかもしれない。五感には説明ぬきに絶対的にその情報が手に入るようになっている。そして六感も。

0 件のコメント: